writer : アキ
不登校の子どもを立ち直せるもの。
それはただ一つ。
「そのままでいいよ、大好きだよ、応援しているよ」
という、家族の一言。
自己肯定感をどれだけその子の心に植え付けられるかが決め手です。
昨年の1月、突然「学校に行きたくない」宣言をした、当時中1の娘。
それから早1年。
今でもず~っと娘は学校に行かないスローライフ。
今でも本人は悩みの中にいますが、ひとりで戦っていた1年前とは違います。
家族全員で問題を受け入れて、支えているから。
子ども達が持っている本来の強さを生かしてあげられるのは、親である私達。
「あなたはそのまんまでいいよ。」
そう言ってあげて下さい。
あなたのお子さんは、絶対に進化します。
信じていきましょうよ!
目次
学校に行かない中2の娘の理由は?
友達との人間関係がうまくいってない事でした。
そりゃあ、息子にもありましたよ。
小学生の頃、人間関係に疲れて少し休んだこと。
でも2,3日休んで、再び学校に戻っていきました。
中1の娘が「学校に行きたくない」って言った時も、どうせその程度のものだろうと思っていました。
それが、もう1年も経つとはね。
きっかけはこんな事でした。
私がこたつでボケ~っとテレビを見ていたら娘がやってきて、泣きながら「もう学校に行きたくない」。
普段は絶対に泣かない娘なので、こりゃ、ただ事ではないなと思いました。
「ど、どした?」
よくよく聞くと、「友達とうまくいっていない」と。
いつから?
と聞くと、なんと、小3の頃から。
「え~っ!?なんでもっと早く言ってくんなかったの!?」
と思わず叫びました。
「だって、大人に相談するって思いつかなかったから」
・・・。唖然。
いいよ。休みたいだけ休みなさい。
そう言うしかありませんでした。
学校に行かない中2の対応は?
私は決めました。
小3の時から中1の時までの4,5年間、娘はだまって耐えたんでしょ?
じゃあ、逆によくがんばったじゃん。
だったら、回復するのに同じ位の月日が必要なんじゃないの?
だから、ここはあえて無理矢理学校に行かさずに、、好きなだけ心と体を休ませようと思ったんです。
傷ついた子どもには、必要なんです。
休むって。
逃げるって。
それよりも、ひとりぽっちで無視される毎日に耐えていた娘。
それを思うと泣けてきます。
それを私に相談する事もなく、家では笑っていたよな。
でも思えば、毎朝頭が痛いって言ってたよな。
あまりにも毎日頭痛が続くから、大学病院で頭のMRIをとってもらった事もあった。
あれって、全部心の傷からきてたんだ。
私、どんだけ鈍感なのかよ?
全然知らなかったじゃん・・・。
そうやって、過去のいろいろな出来事が、娘の不登校とつながるようになってきました。
ここで無理矢理学校に行かせたって、何にもいい事はないって。
だから私は決心しました。
休みたいだけ、休めばいい、って。
そしてコロナが始まったのです。
運よく兄ちゃんも妹も学校がすべてなくなり、不登校の娘と一緒に家の中で過ごす毎日が始まったのです。
これが逆に良かったんですよね。
ひとりで悶々とせずにすんだので。
兄ちゃんや妹とゲラゲラ笑いながら、学校の事を忘れられたので。
あくまでも「表面的に」忘れられただけ、ですが。
彼女の不登校には、ある女子友達との関係性が原因だったのです。
学校に行かない中2の不登校の娘の様子は?
中学生の不登校は女子との関係
彼女には苦手な、ある特定の女子がいました。
話し方が怖くてキツイので、そばに近寄ってきただけでぞわ~っとするらしいのです。
その子がいるから学校に行けないみたいなんです。
私も始めはその子が原因なのかと思っていたのです。
その子との関係性が改善されれば、娘の悩みも解決するのかなって。
だからその子のお母さんにも連絡して、訳を話しました。
そしてその子のお母さんと、私達夫婦が担任の先生の仲介のもと、話し合いを持ちました。
でもそのお母さんは、私の娘の不登校の原因が自分の子どものせいだとは認めず、一言もあやまることもなく、そしてそれから今に至るまで、謝罪の言葉はありませんでした。
その時の自分の心境としては、まったく信じられない対応でした。
もし私が逆の立場だったなら、状況が把握できなかったとしても「もし本当にうちの子が傷つけていたとしたなら申し訳なかった」って、とりあえずは謝っただろうなと思います。
全く腑に落ちない、その親子に対して怒りが収まらない毎日でした。
でも、問題はそれだけではない、もっと絡み合ったものなんだと見えてきたのです。
学校に行きたくない中学生の人間関係は?
確かにその子が怖くて学校が嫌になったって事もありましたけれど、娘がぽつりぽつり話していくうちに分かった事がありました。
その子だけでなく、クラスの女子全員、時には男子からも無視されていたのだと。
理由はわかりません。
子ども達が通う学校は田舎の学校なので、学年に1クラスしかなく、クラスメートは15人ほど。
こんなクラスでハブられたら、逃げ場なんてありません。
毎日休み時間、みんなが校庭で遊んでいるのを教室から見ていたそうです。
何がきっかけでハブられるようになったのか、娘の何が原因であったのか、今も分かりません。
でも会話に入れてもらえなかったり、冷たい目で見られたりしたそうです。
そんなことが積み重なって、娘は自分とまわりの人との間に大きな壁をつくり、素の自分を出せないようになっていったのです。
次第に自分を過小評価するようになり、クラスメイトに敬語で話すようになっていきました。
娘は自分でもよく分からないけれど、とにかく教室に入っていくのが怖い。
がんばって教室に行っても、息が苦しくなって、呼吸が荒くなってきてしまう。
人と会うのが怖くなってしまったのです。
今までがんばって学校に行っていたけれど、一度休むと、もうそこから教室に入る事ができなくなってしまいました。
がんばって教室に入っても、過呼吸になってきて、もういられない。
見かねた先生達が、彼女の席を廊下側の一番後ろにしてくれ、苦しくなったらいつでも教室から抜けられるようにして下さいました。
なんとかだましだまし学校に行っても、授業になると廊下のベンチでずっと座っている事がほとんどになりました。
そして最終的には、もう学校に行けなくなったのです。
そしてついに始まりました。
自傷行為が。
自傷行為してしまった時はどうする?
子どもが自傷行為してしまったのが分かったら、全力で止めて下さい。
そして、自分ではなく、好きなだけ「物」を切り刻んでと言って下さい。
娘が不登校になってから話し合いを重ねてきた、担任の先生から背筋が凍る事を聞かされました。
娘のクラスメイトから、先生に相談があったっていうのです。
娘がクラスメイトに
「自殺したいって考えたことある?
リストカットするとすっきりするよ」
と、私の娘から傷だらけの手首を見せられた、っていうのです。
それで怖くなったクラスメイトが先生に相談したというのです。
私はもう、クラクラしてきました。
家では明るく笑っていた娘。
一言もマイナス発言をしなかった娘が、ひとりぽっちで手首をいたずらに傷つけていたなんて!
何も知らなかった自分って、一体なに?
その晩、恐る恐る娘が寝ている間に手首を見ると、たくさん傷がありました。
もう、本当にいたたまれなくなりました。
あと一歩知るのが遅かったら、もしかしたら私は大事な娘を失っていたかもしれない。
そう思うと、自分の鈍感さにほとほと嫌気がさしてきました。
そしてもう、絶対にそうして欲しくない。
だから娘に伝えました。
絶対にもう、自分を傷つけないでほしい。
もしやりたくなったら、家が壊れてもいいから、好きなだけ壁とか物に当たるように、って。
それからです。
家のあちこちが切り刻まれるようになったのが。
リビングの壁を、カッターで切り刻んだ跡。
娘のお気に入りのカバンやタオルが、ハサミでズタボロに切り刻まれて、机の上に置かれている。
はじめはぎょっとしたけれど、逆にこれが安心材料になってきました。
だって、今までずっとひとりでこもって耐えてきたのが
みんなが見えるところでそういう行為をし始めたって事は、「苦しい」って私達に伝えるようになったって事だから。
ものすごい、進歩でした。
でも、それでも心配した私や先生達は、彼女にカウンセリングを勧めました。
こうなったら、第三者のお口を借りて、娘の悩みを聞き出してほしいって思ったんです。
「カウンセラーっていう人がいてね。
悩みの相談にのってくれる人がいるんだよ。
行ってみない?」
でも彼女の答えは、頑なに「No」でした。
カウンセリングも効かない
担任の先生からも、何度も勧められました。
私も勧めました。
でも、何が何でも娘は絶対に行こうとはしませんでした。
でもさ。
考えてみりゃ、そうですよね。
人間不信になっているのですから。
自分の親にさえ悩みを言えなかったのに、知らない人にいきなり相談できますか、っての。
そりゃそうですよ。
だから私も無理強いはしませんでした。
何事も、無理矢理やっても何一ついい事はありませんから。
不登校の中学生のためのフリースクールも効かない
フリースクールも娘に勧めてみました。
「学校に行けない子ども達のための学校だよ」
でも答えはあっさりNo。
でもそうですよね。
学校が嫌で行けないのに、なんで他の学校なら行けるのよ、って話ですよね。
あるフリースクールを見学しましたが、建物も古くて暗くて、なんだか滅入ってきそう。
そこにいると、体にカビが生えてくるんじゃないか!?。
そこにおばちゃん先生とマンツーマン!?
いやいやいやいや
逆に息が詰まるっしょ。
自分だったらこんなとこ、嫌だ。
そして思いました。
これって、「何がなんでも学校に行くことしか正解じゃない」って言っているのと同じじゃない?
そう感じてしまったのです。
だから、学校に行けないって全身で拒否している娘に、学校を勧めるって、なんか違うって思ったんです。
だから不登校している娘の親として、どのようにふるまったらいいのか、決めたのです。
学校に行きたくない中学生の親の役割は?
学校に行きたくない子どもの親の役割は、とにかくその「行けない」っていう子どもを受け止めてあげるのが一番なんです。
その姿をまず受け入れること。
そして、無理強いしない事。
だって、考えてみて下さいよ。
自分の気が進まない事を、誰かに無理強いさせられたらどうです?
やる気もないのに、やれやれ言われて、うまくいった事あります?
何事も自分で「よしやろう!」って決めた事じゃないと、身にならないっていう経験ありませんか?
それと同じなんです。
ましてや、全身で拒否している学校に無理やり行かされるこの苦しさ。
もう、いい事ひとつもないじゃないですか。
人間って、自分が何か本気でやろうと思った時って、信じられない力が出ませんか?
それと同じで、絶対にやりたくない何かがあるならば、もう、力なんて湧くわきゃないんです。
だから私は、彼女にその「これがやりたい!」ってものがあらわれるまで、待とうって決めたんです。
そしてその「やりたい!」ってものが見つかった時には、全力で応援してやろうって決めたんです。
そもそも、「学校に行かない」っていう決断を下すのだって、勇気がいります。
それを成し遂げている娘は、逆に根性あるんですよ。
だから、その強さがあれば、前向きに進みたい時にも絶対にものすごいパワーが産まれるはず。
だから、私達家族は、いつも彼女にこう声かけするように決めています。
不登校の中学生に伝えたい言葉は?
私達夫婦が娘にいつも伝えていること。
それは、「あんたは負け犬じゃない」って事。
学校に行かないのも、立派な意志。
その、「学校に行かない」っていう大変な事に、勇気を持って立ち向かっているあんたはすごいんだよ、って伝えています。
だから、あんたはその強さがあるんだから、何かやりたい事があれば、絶対に力を出せるし、その時は全力で応援するよ。
あんたは、あんたのままでいいんだよ。
こう伝えています。
でも娘は心配しています。
「この一年、なんにもしなかった・・・。」って。
だから私達はこう言います。
「いっぱい、いっぱい考えたんでしょ?
だから、たくさんの事をやったじゃん!」って。
そう伝えると、娘も
「うん。たくさん考えた。考えすぎて疲れた。」って。
この、たくさん考えたこの時間、絶対に将来、力になるって私は思います。
こういう言葉をかけるようになり、娘にも変化が表れてきました。
突然学校に行く、って言いだす事が起こったんです。
突然行く不登校中学生
「明日、部活行こうかな」
娘は時々、こういう言葉を言うようになりました。
授業には出れないけど、部活には行くって。
「いいじゃん。行ってきなよ!」
こんな時、私は娘の勇気に感心します。
とにかくね。
物事全てにタイミングがあって、それは他の誰かが決める事じゃないんです。
自分が決めるんです。
そしてそのタイミングって、絶対に来るんです。
だから親が全力でできることは、そのタイミングを逃さない事。
応援すること。
失敗しても受け止める事、です。
子どもは変わる
子どもは親がガミガミ言わなくても、自分で分かっています。
もがいています。
何とかしようと。
だから、待ちましょ、親は。
昼夜逆転していた娘が心配でこういったんです。
太陽にあたらないと病気になるよ。
朝、一緒に散歩行かない?
もちろん返事は「やだ」。
でもそれから半年後、娘は、急に始めました。
「夜きちんと寝て、朝起きる。
そして太陽にあたる。」
これ、私が昔提案したこと。
全然やりたくなかったこと。
でも自分でその意味を反芻して、自分を変えるためには必要なのかもって自分で考えて、やるって決めた。
自分で決めたらやるんです。
そして今、相変わらず学校には行きたくないし、高校にも行きたくないけど、将来自分が何をやりたいのか、彼女なりに必死に探っています。
携帯でいろいろ探しています。
ほんとはね。
一緒に気分転換に散歩したり
学校以外のいろんな人と会ってみたり
世の中には学校に行かなくたって立派に生きているひとはごまんといる。
そんな人たちに会って触れて、見分を深めてほしいけど
それは全部親の発想。
とりあえず拒否されることは承知のうえで、いろいろ提案してみるといい。
それを子どもは子どもなりに時間をかけて、自分に必要だと思ったらそれを取り入れます。
だからとりあえず親は
気長にいきましょ。
大丈夫。
絶対何とかなる!
まとめ
子どもの不登校は長いトンネル。
親はつらい。
でももっとつらいのは子ども。
「学校に行きなさい!」ってできない事を言って、ますます子どもに自己嫌悪の感情を植え付けるよりも
大丈夫、何とかなる!
って、ウソでもいいから言ってあげて下さい。
子どもの味方になれるのは、あなたしかいません。
そうやって明るく「何とかなる!」って笑っていれば
ほんとに何とかなりますから!
というか、本当に何とかなるって信じています。
一緒にがんばりましょ!
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