writer : アキ
幼児にとって、外遊びは本当に大事。
大人が思う以上に、子ども達は外遊びからたくさんのものを吸収しています。
外遊びをしてきた子どもたちと
外遊びをしてこなかった子どもたちを
私は見てきました。
決定的な違いが、ここにあります。
外遊びの幼児への影響
幼児期の外遊びは、子ども達の体づくりにとって、とても大切です。
外で遊ぶことによって子ども達の体ができてくるので、できるだけ子ども達には外遊びの機会を作ってあげましょう。
コロナ旋風が巻き起こる昨今、お子さんを外で遊ばせるのも何かと心配な世の中になりました。
外で遊ぶとお友達と交わる機会も増えるので、考えちゃいますよね。
コロナになって欲しくない!
でも このまま家に閉じ込めていていいのだろうか?
コロナがなかったとしても、最近の子ども達はゲームに夢中で、外で遊ぶことも少なくなってきました。
こうした、家に閉じこもりがちな子ども達って、今後体に影響が出てくるのでしょうか?
答えは「イエス」です。
長期に渡って外遊びができなかったから、その影響が体に出てしまった子ども達がいます。
福島の子ども達です。
今から9年前、東北で東日本大震災が起こりました。
これによって福島原子力発電所の事故が起こり、大量の放射能がまき散らされました。
それから長期に渡る間、福島の子ども達は外遊びができなくなりました。
コロナの自粛は3か月くらいでしたが、この福島の子どもたちの戦いは、その家庭にもよりますが、実に、ここから数年にも及ぶことになったのです。
私は幼稚園のママ友と、この外遊びが出来なくなった子ども達とその親を、神奈川県に招待し、外遊びをさせる保養キャンプを、2012年から続けています。
そのキャンプを通して分かったこと。
それは、外遊びを禁じられてきた子ども達の体には、その影響が出ているという事でした。
私達が初めてキャンプを開催したのは2012年3月。
原発事故から1年後でした。
はじめて福島の子ども達と関わることになり、とても驚かされた事。
それは、子ども達の体がちょっとおかしいのです。
まず鼻血を出していました。
同室で5家族の福島の親子と過ごしていたのですが、夜中に子ども達が一斉に鼻血を出しました。
タラ~、ではなく、大量に。
それから、子ども達の肌が白いことが印象的でした。
1年間、外遊びできなかったので、日焼けすることもありませんでしたからね。
それから、平均感覚がおかしい。
何もない、坂道でもない平坦な道で、子ども達はよく転ぶのです。
つまづくものなんて、何もないところで。
足がもつれちゃうんですね。
それから、泥がつくと、パニックになる子どもがいました。
「早くとって!洗って!」と。
福島では泥が体につくと、ママ達が必死に洗うので、それが身についてしまっていたのです。
ママ達は、土や葉っぱなど、外にあるものを子ども達に触らせたくなかったのです。
放射能がくっついているので。
だから、少しでも何かが体につくと、鬼のように洗っていたのです。
福島の現実を思い知らされました。
それから、子ども達の平熱が35度代になっていると嘆くママ達もたくさんいました。
体を動かす機会が、極端に減ったからなんですよね。
事後直後は、夏でもインフルエンザが流行ったとも聞きました。
子ども達の免疫力が低くなっていたのですね。
好きな時に好きなだけ外で遊ぶ。
たったこれだけの事を抑制された子ども達に、
このような異変が起きていたのです。
外で太陽の光をあびて体を十分に動かすこと、やはり大切なんです。
外遊びの大切さ
外遊びは、子ども達の体力づくり、体づくりのために、とても大切です。
なぜなら、子ども達は外で自然やお天道様に触れながら体を作っていくからです。
我が家の子ども達は、少し変わった幼稚園に通っていました。
園舎がなく、毎日先生が運転するマイクロバスで移動して、いろいろな公園に行くのです。
春は池でおたまじゃくしすくい。
夏は川遊び。
秋は自分たちの畑でさつまいもの収穫をして、焚火で焼き芋。
冬は寒い中でも走り回ります。
暑い夏も、寒い冬も、雨の日以外は毎日外遊び。
でもはじめからそのスタイルに順応できた訳ではありませんでした。
幼稚園に入りたての年少さんたちは、冬の寒さの中で、泣く子もいます。
でも毎日毎日外で遊んでいると、子ども達の体はどんどん、どんどん順応していくのですね。
年長さんになってくると、みな、野生のサル化していきます。
木から落ちそうになっても、抜群の感覚で対応できるのです。
石がゴロゴロの河原を、はだしで駆け回る子もいました。
熱中症で倒れる子どももいませんでした。
冬から春、春から夏へと、お天道様と一緒に季節の移り変わりとともにいるので、うまく体も順応していったのですよね。
そうやって毎日外で自然に触れながら、太陽の光をあびながら育った私達の子ども達に比べ、ハンディを持っていたのは、やはり、福島の子ども達だったのです。
外遊びができなかった福島の子ども達
2014年の冬。
私達のキャンプに、いわきから参加してくれたママから聞いた話。
そのころ、福島の幼稚園では、子ども達は室内遊びを強いられていました。
そんな子ども達を不憫に思い、彼女の子ども達の幼稚園の園長先生は、一念発起して室内プールを作ってくれたそうです。
なんとか、子ども達に遊ばせたいと思い、努力を尽くしてくれたといいます。
でも、足りなかったんですね。
このまま子ども達を室内に閉じ込めておくわけにはいかない!
と親達が立ち上がりました。
自分たちで園庭を何度も何度も除染し、
やっとの思いで開催した幼稚園の運動会。
そこで親達は、子ども達の様子に愕然としたそうです。
年長さんの障害物競争での跳び箱。
お尻をついてしまう子や、顔から落ちる子が続出。
自分の体重を支えきれない程、腕の力が落ちていました。
逆上がりもなかなかできなかったといいます。
それから、福島県石川郡から参加してくれたママの話。
原発事故当時、そのママの娘は3歳、息子は生後10か月でした。
一日中子ども達を家に閉じ込める日々が続きました。
息子が3歳になるまで、草花や、石や砂に触ったことがなかったそうです。
震災から1年がたち、娘さんが幼稚園に上がるころ、子ども達は外に行きたいと言うこともなくなりました。
そのママは、外に行きたいとせがまれることもなくなったので、内心ほっとしていたそうです。
でもある時、子ども達がDVDを見ている姿を見て、ハッとしました。
テレビが面白い事を言っているのに、子ども達は無表情なんです。
まずい!
そう思って、県外の公園に連れて行きました。
「ここは何を触ってもいいんだよ」
と言っても、何も触ろうともせず、何もせずに車に戻っていく姿。
今でも忘れられないといいます。
キャンプを開始して3,4年は、滞在中に熱を出す子ども達がたくさんいました。
下痢や微熱が続いている子どもも。
本当に心配しました。
でも、幸か不幸か、今は学校生活も日常生活も普通通りになっているので、キャンプで体調を崩す子どもも減ってきました。
何もないところで転ぶ子どももいませんし、山登りやがけ登りもスイスイ。
大人のこちらが負けるくらいです。
やはり、外で遊ぶということは、子ども達の体にとって、本当に大事なんだと実感しています。
まとめ
子ども達の体を作るものは、外の自然とお天道様です。
そこから子ども達は筋肉、体幹、バランス感覚を鍛えていきます。
体が強くなっていきます。
なので、思いっきり外で発散させてあげましょう。
特別なものはなくても、子ども達はどんどん遊びを作り出していけます。
その笑顔で、こちらも本当に癒されますよ!
コメント